あなたがフェアトレード商品を買わない理由は何?消費者目線で考える、購買の阻害要因
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フェアトレード商品を購入したい、という思いはあるものの、なかなかその一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
日本ではあまりフェアトレードが普及していないといわれています。
日本人がフェアトレード商品を買わない理由はどこにあるのか、この記事ではフェアトレードの市場規模や今後の課題と含めて詳しく解説します。
日本のフェアトレード商品市場の規模 他国と比較
特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパンの調査によれば、2022年の日本のフェアトレード認証製品の推計市場規模は、195.6億円という結果になりました。
2021年の157.8億円と比較すると24%増加しており、過去10年で最大の進捗率です。
とはいえ、海外諸国と比較するとまだ低い水準です。
例えばドイツでは2020年では2,374億円だったものの、日本では131億円とかなりの幅があります。
一人あたりの購入額もスイスでは11,267円、日本では104円と差が出ています。
日本でフェアトレードの市場規模は拡大しつつあるものの、まだ他国には及ばないというのが結論としていえるでしょう。
私たちがフェアトレード商品を買わない理由
市場規模の話にもつながってきますが、私たちがフェアトレード商品を買わない理由としては主に3つが挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
一般的な商品と比べて価格が高い
一般的な商品と比べてフェアトレード商品は価格が高く設定されていることが、購入を阻害する第一の要因です。
高くなる理由としては、フェアトレード商品は手作業やオーガニック製法を利用して作られているためです。
大量生産品と比べて作るのに人件費も工数もコストがかかるため、希少価値が高いというわけです。
そのため価格帯が高く設定されています。
身近に扱う店舗がない
フェアトレード商品は街中を歩いていたら偶然あった、というものではなく、取扱店舗を探そうとしなければ購入できません。
身近に取り扱う店舗がないというのはフェアトレード商品を買えなくなる大きな理由のひとつではないでしょうか。
また、フェアトレード商品はフェアトレード認証を受ける必要があります。
そのため通常のチェーン店ではなかなか導入しにくいといった内部事情も考えられます。
自分の欲しい商品でフェアトレード商品がない
フェアトレード商品として最も有名なのはチョコレートではないでしょうか。
実はフェアトレード商品のジャンルは美容用品もあるなど多岐に渡るのが実情ですが、なかなかそれが知られていないという現状もあります。
そのため「自分が欲しい商品でフェアトレードされているものがない」という先入観があり、商品を買うという消費行動にまで踏み込めないということが考えられます。
フェアトレードが直面する今後の課題
フェアトレードが向き合わなければならない今後の課題としては、最も大きなものとして「生産コストが高く大量生産が難しい」ことが挙げられます。
これは企業がフェアトレード商品の生産に踏み込めない大きな要因になっています。
企業は利益を重視するため、利益率が望みにくいフェアトレード商品は避けている傾向にあります。
また、フェアトレード認証の基準が曖昧であることも今後の課題でしょう。
国際基準としてフェアトレードの認証基準はあるものの、これを満たさないとフェアトレード商品として販売できないという明確な決まりがあるわけではありません。
これらの課題を今後どのように解消していくかがフェアトレード商品業界としての力量だといえるでしょう。
フェアトレード商品の定義については以下の記事で説明しています。
関連記事:フェアトレード製品とは?定義とフェアトレード製品の問題について解説します
まとめ
この記事ではフェアトレード商品を買わない理由について解説しました。
買わない理由としては主に3つあり、今後の課題も解消する必要があるため、まずはフェアトレード商品について正しい理解や認知を得ていかなければなりません。
もしスーパーやコンビニなどで気軽にフェアトレード商品が購入できるようになったら最も理想ですが、今はそれが難しいのが現状です。
私たち一人ひとりがフェアトレードの認知に向けてアンテナを張っていく必要もあるでしょう。ぜひこの記事をきっかけに、フェアトレード商品について理解を深めてみてください。