フェアトレードチョコレートの問題とは?エシカルでフェアな取引を増やそう

フェアトレードチョコレートの問題とは?
SOCIETY

フェアトレード商品がエシカルショップやコンビニ、スーパーなどで購入ができるようになりました。

最近では、2021年10月からナチュラルローソンでオリジナルのフェアトレードチョコレートを使用したスイーツが販売されたのをご存知でしょうか?

フェアトレード商品を知るきっかけ、初めて購入するきっかけとなったのがフェアトレードのチョコレートであるという方は多いのではないかと思います。

世の中での知名度が1番高いであろうフェアトレード商品の「チョコレート」ですが、未だに取引量が少ないという問題があります。

今回の記事では、フェアトレードチョコレートの取引量がなぜ増えないのか解説していきます。

フェアトレードチョコレートの問題とは?

フェアトレードチョコの問題

フェアトレードチョコレートの取引量が増えない主な理由は、流通量と値段の2点です。

問題点①流通量

フェアトレードチョコレートは、他のフェアトレード商品に比べて流通量が少ないという問題があります。

以下の図は、フェアトレードの対象である作物の産出量全体に占めるフェアトレードの割合を示しています。

2019-2020レポート

引用元:Fairtrade International 2019-2020 Annual Report

バナナ、コーヒーとコットンが50%を超えているのに対して、カカオの割合は10%台。流通量が少ないことがわかります。

フェアトレードチョコレートの流通量が伸び悩む主な原因

メーカーがフェアトレードの仕組みを避けたり、一部の商品にのみフェアトレード原料を使用していないことです。

フェアトレード商品は、生産者に対する最低価格保障やプレミアム(生産者支援のための奨励金)といった制度があり、どうしても値段が高くなります。

そして、値段が高くなると消費者に購入をしてもらえなくなることもあります。

メーカーが消費者に購入してもらえないことを恐れた結果、フェアトレードではない商品を販売しているため、アンフェアな取引が続いているのです。

フェアトレードチョコレートの流通が増えない理由

バナナやコーヒーと比べ、フェアトレードチョコレートの流通が増えない原因として、消費者のニーズの違いがあると考えられます。

コーヒーは近年、コンビニでのコーヒーメーカーの普及などに伴い、消費者がより良いコーヒーを求めるようになりました。

つまり、お金をかけて良いものを飲みたいと思う消費者が増えたということです。

その反面、チョコレート業界ではより良いものよりも、リーズナブルな価格のチョコレートが消費者に選ばれているようです。

この消費者の商品選択の違いが影響して、値段の高いフェアトレードチョコレートが購入されないと考えられます。

問題点②値段

フェアトレードチョコレート商品は、全体的に値段が高い傾向にあります。

値段の高いフェアトレードチョコレートは手間をかけ、通常の値段のチョコレートよりも美味しく仕上がっているチョコレートです。

しかし、市場では大手メーカーなどがつくる安価なチョコレートがシェアの大部分を占めています。

フェアトレードチョコレートの流通量を増やすには、シェアの多い安価なチョコレートでフェアトレード原料を使わなければいけません。

しかし、先ほど述べたように、以前よりも値段が高くなると購入すらしてもらえない可能性があります。

価格が上がることに対して消費者に理解をしてもらう必要があります。

フェアトレードチョコレートの取引量は増加傾向

フェアトレードチョコレート

フェアトレードチョコの流通量が増加

フェアトレードチョコレートの流通量が、去年より増加しています。

フェアトレードチョコレートを含めたフェアトレードの2020年度の市場規模は、前年度と比べ6%ほど増加しました。

大手の小売業者のフェアトレード商品を販売し始めた影響があると考えられます。具体的な増加の要因では、チョコレートや紅茶などの産業展開が関わっていると報告されています。

日本ではイオンやセブン、ナチュラルローソンなどのコンビニでオリジナルのフェアトレードチョコレートの販売を始めました。

また、イオントップバリュはプライベートブランドとして販売するコーヒーとチョコレートで使用するカカオを、2030年までに持続可能な裏付けが取れたものを100%使用すると発表しています。

日本だけでなく、世界でもフェアトレードチョコレートの流通量の変化は見られています。

フェアトレードインターナショナル(Fairtrade International)の2020-2021年次レポートでは、フェアトレードチョコレートの流通量が増加していることが報告されています。

2020-2021レポート

引用元:desc

日本を含む世界で、少しづつではありますがフェアトレードチョコレートの流通量が増加していることが分かります。

フェアトレード全体の認知度がアップ

2020年のフェアトレードに対する認知度がアップしているとフェアトレードフォーラムジャパン(Fair Trade Forum Japan)が発表しています。

コンビニやスーパーでフェアトレード商品の購入頻度が増えていることで、フェアトレードが身近なものに変化していることが考えられます。

コンビニやスーパーでフェアトレード商品が販売されたことにより、フェアトレード商品の認知度が上がりました。

このままフェアトレード商品が日常の生活に溶け込めば、スーパーやコンビニで扱われているチョコレートがすべてフェアトレードになる未来も近いのかもしれませんね。

まとめ

フェアトレード 商品

今回は、フェアトレードチョコレートの問題と解決へ向かっている現状について解説しました。

フェアトレードチョコレートを買うこと、フェアトレードについて知識をみんながつけていくことでフェアトレードチョコレートの流通量が増えます。

そして、流通量が増えることでフェアな取引が増え、貧困や児童労働、環境破壊といった問題の改善につながります。

最近では、近所のコンビニ、スーパー、エシカルショップなどでフェアトレードチョコレートが買えるようになりました。

美味しく、そして人や地球にも優しいフェアトレードチョコレートを買ってみてはいかがでしょうか。

この記事をシェアする

TAGS

この記事書いた人

Check more...

ブルーカーボンとは|企業・行政、海外での取り組みも紹介します
SOCIETY

ブルーカーボンとは|企業・行政、海外での取り組みも紹介します

リジェネラティブ農業|海外と日本の導入状況を比較
SOCIETY

リジェネラティブ農業|海外と日本の導入状況を比較

【2024年度版】おすすめのSDGsイベントをご紹介
SOCIETY

【2024年度版】おすすめのSDGsイベントをご紹介

食べられるスプーン・食べられるストロー|食べられる○○とSDGs
SOCIETY

食べられるスプーン・食べられるストロー|食べられる○○とSDGs