2023年開催COP28速報|去年との比較・今後の展望

2023年開催COP28速報|去年との比較・今後の展望
SOCIETY

地球規模で環境問題が議論される中で、COP28は重要な役割を果たしています。世界中の公的機関が参加し、気候変動問題に関して毎年議論がなされています。 最近初めて環境問題に関心を持ったという方にとっては、COPがそもそもどういうものかについて気になる方も多いでしょう。そこでこの記事では、COPの概要を含め、2023年に開催された最新のCOP28についても詳しく紹介します。

COP28とは

国際会議

COP28(Conference of the Parties)とは、「締約国会議」の略であり、使われている意味としては「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議」を指します。条約に加盟している国々による会議であることからこのように名付けられています。2023年においては11月30日~12月13日にかけて行われ、アラブ首長国連邦のドバイにて開催されました。参加国はアラブ首長国連邦からEU諸国、インド、オーストラリア、中国、米国などといった計21か国であり、主にメタンの削減について議論が交わされました。

COPとは

COPとは、198か国・機関が参加する、気候変動に関する世界最大の会議です。各国の政府機関だけではなく学者やNGO、ビジネスリーダーなど、気候変動に知見を持つさまざまな役割の人々が集結します。

締約国から提出される排出インベントリー(国内において排出された温室効果ガスの総量を計算したもの)を評価することもCOPの重要な役割であり、毎年COPが開催されることが温室効果ガスの削減の目標値の目安にもなっています。

COPの歴史

会議

COPの歴史は1992年にまでさかのぼります。ブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミットがきっかけです。地球温暖化やオゾン層の破壊、生物多様性の喪失などの環境問題が深刻になったことから地球サミットが開催され、その流れでCOPも継続的に開催されることが決定したのです。一番最初のCOPはドイツ・ベルリンで1995年に開催されました。最初は先進国の取り組みについて、COP3までに議定書等の形で結論を形づけることを目指し検討を開始しました。

COPの目的

COPの最も大きな目的は、一言で表すと地球温暖化に関する問題の解決です。排出インベントリーの役割も相まって、先進国(締約国)によって目標値が定められており、参加国には毎回どのくらい温室効果ガスの排出が削減できたかの実績報告が求められています。

これまでの取り決められてきたこと・成果

これまでCOPは20年以上にわたり開催されてきましたが、毎年しっかりと温室効果ガスの削減という主要テーマに対して成果が出されています。例えばCOP26では2015年に採択されたパリ協定で、まだ詳細が策定されていなかったルールに対してルールブックが敷かれました。

この新しいルール6場条「市場メカニズム」では、CO2の排出枠をクレジットとして取引して、相互にCO2の削減を目指すことを示すものです。

COP28で新たに取り決められたこと

COP28の開催によって新たに取り決められたこととして、外務省によれば以下のことが決定されたといいます。

COP28では、パリ協定の目的達成に向けた世界全体の進捗を評価するグローバル・ストックテイク(GST)に関する決定、ロス&ダメージ(気候変動の悪影響に伴う損失と損害)に対応するための基金を含む新たな資金措置の制度の大枠に関する決定の他、緩和、適応、資金、公正な移行等の各議題についての決定がそれぞれ採択された。

日本では「世界全体でパリ協定の目標に取り組むための日本政府の投資促進支援パッケージ」を公表しています。「目標とのギャップ」「適応とのギャップ」「実施のギャップ」の3つを解消して排出経路を順調にしていこうというものです。

COP27とCOP28の比較

COP27とCOP28はどちらも国際会議、かつ気候変動に関する会議であることに変わりはありませんが、前回のCOP27から持ち越されたロス&ダメージに関する基金の運用を具体化することが求められていました。

ロス&ダメージとは温暖化に伴う気候変動で回避できない損害の影響を指しています。例えば干ばつや洪水などの災害が挙げられます。COP28ではこの問題が合意されることになりました。

課題点

毎年さまざまな議題が挙がるCOPですが、もちろん課題点もあります。国際規模ではロス&ダメージに対する基金の少なさ(約8億円)が挙げられますが、特に日本においては発展途上国に対する多面的な支援の強化や、排出削減目標を底上げすることなどがあります。

今後の展望

今後の展望としては、COP28で採択・議論されたことをもとに、課題を一つずつ解決していくことが求められます。COP28の最終合意文書では石炭火力発電についての削減時期に関する踏み込んだ言及は行われなかったため、ただ表面上の合意になるのではなく、具体的な数値や目標まで提示することが求められます。

まとめ

この記事ではCOPの概要をはじめとして、COP28で採択されたことや課題について解説しました。年々加速していく気候変動問題を食い止めるためには、各国のステークホルダーに限らず私たち一人ひとりが問題を把握し、少しずつ目標に対して協力していくことが求められています。ぜひこの記事を参考にして、COPに関する理解を深めてみてください。

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