伝統の湯治文化を現代のウェルネスへ。秋田の名湯・玉川温泉を自宅で体験できる製品を開発 – 株式会社YUNOHANA
「家庭で気軽にできる湯治」をビジョンに掲げ、健康・美容機器の企画開発を行う株式会社YUNOHANA。同社の製品づくりの原点は玉川温泉にあります。この記事では、同社が熱をこめて実践する取り組みについてご紹介します。
原点は山深い地にある日本有数の湯治場・玉川温泉

秋田県東部に位置し、岩手県との県境に接する仙北市。ここは「みちのくの小京都」とも呼ばれる角館や、日本一の深さを誇る田沢湖で知られています。その山深いエリアにあるのが玉川温泉です。
山道を登った先にある温泉地には、ごつごつとした岩場が広がり、地面のあちこちから白い湯けむりが立ちのぼります。全国各地から多くの人が訪れる、日本有数の湯治場です。
玉川温泉はピリピリと感じるほどの強酸性の泉質に加え、微量のラジウムを含むことでも知られています。ラジウムは自然界に存在する放射性元素のひとつで、鉱物や地層に含まれる成分です。
玉川温泉の成分が長い年月をかけて沈殿・結晶化してできた鉱物・北投石はこのラジウムを含んでおり、国の天然記念物にも指定。また、温泉の沈殿物である湯の花にもラジウムが含まれていることが確認されています。
5年の素材開発期間で誕生したのは、湯の花成分を含む人工北投石

この「湯の花」に着目したのが同社の創設者であり、現会長である高橋道典氏です。秋田県出身の高橋氏は大学院で化学を専攻し、卒業後は科学研究や原子力分野の技術開発に従事しました。この経験から、北投石や湯の花に含まれる微量のラジウムに関心を寄せるようになります。
「玉川温泉の成分を身近な暮らしに取り入れられないか」。そのような思いから高橋氏は研究を重ね、湯の花が持つ特性を日常生活に活かす方法を模索していきました。
湯の花には有用な成分だけでなく、酸や鉛、硫黄なども含まれています。そのため安全かつ安定した素材として活用するには不純物の除去が必要でした。
さらに自然由来の原料である湯の花を、日常生活の中で扱いやすい素材へ加工することも大きな課題でした。成分の保持や焼成条件、粒の大きさ、耐久性、安全性などを一つひとつ検証しながら、何度も試作と改良を重ねたといいます。
素材開発に費やした期間は約5年。完成したのが「人工北投石」です。
衣類から寝具まで。さまざまな形で「家庭で気軽にできる湯治」を提案
完成した人工北投石は、まず浴槽に沈めて使用する温浴器として製品化されました。玉川温泉の再現を目指して開発された温浴器の内部には人工北投石のほかに、遠赤外線やマイナスイオンなどの素材が組み込まれており、家庭で湯治場のような温浴体験を実現。創業当初から販売され、現在も同社を代表する製品のひとつとなっています。
その後も「家庭で気軽にできる湯治」をテーマに、日常生活の中で温泉文化を取り入れられる製品づくりを続けてきました。この技術を基盤に、現在の事業の主軸を担っているのがOEM開発です。企業やスパ施設、治療院などから相談を受け、健康・美容関連アイテムの企画開発を行っています。
人工北投石は粉末状に加工した場合でも特性を維持できることから、幅広い製品への応用が可能です。そのため足岩盤や温水マット、衣類、磁気ネックレスなど、製品ラインアップは40〜50種類にのぼり、20代から高齢層まで幅広い世代に支持されています。近年は海外展開を見据えた製品開発の相談も増え、国内外の企業との連携を広げています。
継続的な温活をサポートする、身近なセルフケアアイテム
同社製品のなかでもサステナブルやウェルネスの視点から注目したいのが「足岩盤」や「温水ボイラー&温水マット」です。

玉川温泉は山肌の岩場そのものが地熱で温まっており、訪れた人々はゴザなどを敷いて横になり天然の岩盤浴として体を温めています。足岩盤はこの岩盤浴から着想を得て開発された箱型の温熱機器です。
自宅で足を温める方法は足湯や湯たんぽなどもありますが、同社の足岩盤はお湯を必要としないため節水につながります。また、場所を選ばず使用できるので、日常生活の中で継続的に取り入れやすい製品です。足元からじんわりと温かさが伝わり「リラックスできる」「心地よく温まる」といった感想も寄せられています。

また「温水ボイラー&温水マット」は、水を温めて循環させる構造を採用した製品です。マット内部には、人工北投石や遠赤外線、マイナスイオンなどの素材を組み合わせたシートが組み込まれています。
温水がマット内を循環することで、電気毛布とは異なるやさしい温もりを実現。乾燥を抑えながら心地よい睡眠環境づくりをサポートしており、無理なく温活を続けられるウェルネスアイテムといえるでしょう。
同社製品はスタッフの技術や思いに支えられています。例えば現地で採取した湯の花は茨城の工場へ運ばれ加工されますが、なかでも足岩盤は工場の職人によって手作りされているといいます。
釘を使わず木を組み立てていき、少しでも狂えば品質に影響が出るほどの繊細な工程なのが特徴です。
人々の不調感に寄り添い、湯治文化の魅力を現代に広げる
今後も同社は、玉川温泉の湯の花を活用した製品の価値を広めていくことを目指しています。現代では長時間のデスクワークやデジタル機器の使用、運動不足、ストレスなどによって、体を整える時間を取りづらくなっています。また冷房を使うため夏でも体が冷えている人も少なくありません。
こうした日々の不調感に寄り添い、無理なく続けられる健康習慣を提案していきたい。また単に商品を販売するだけでなく、玉川温泉が育んできた湯治文化や、自然由来素材の魅力を伝える企業でありたいと同社は考えています。
現代のライフスタイルや悩みに寄り添った製品づくりを続けることで、これからも湯治場のように多くの人を温めていくことでしょう。







