バイトのみなさんを、ごひいきに。雇用の旧習を作り変える福利厚生サービス「フクロー」
以下より、詳しく「フクロー」やフクローが果たす効果について紹介します。
アルバイトも加入できる福利厚生プラットフォーム「フクロー」
小売業や外食産業の多くは、アルバイトやパート、派遣社員といったいわゆる非正規雇用に支えられています。
「社員に負けず劣らず働きぶりを発揮するアルバイトの方、パートの方にも長く勤めてもらいたい」
「お店で働く従業員全員のため、なにかできないか」
そのように高橋氏が考えたのが、フクローを開発するきっかけでした。
福利厚生とは、企業が従業員に提供する「給料や賞与以外の報酬、サービス」の総称です。一般的には、従業員やその家族に対して健康面や生活面でのサポートなどが提供されています。
しかし中小企業では、リソース不足により従業員の福利厚生まで手が回らないこともよくあり、パート、アルバイト、派遣社員にまで充実したサポートができているところは大手企業でもなかなかありません。
そこで誕生したのが、ありそうでなかった無料の福利厚生サービス「フクロー」です。
一般的な福利厚生と大きく違うのは、正社員だけではなく従業員、パートやアルバイトなど雇用形態に関係なく利用できること。そして加入する企業の導入コストやランニングコストも無料という点です。
まだスタートしたばかりのプラットフォームですが、「街の社食」サービスを皮切りとして、今後拡大予定です。従業員が日常的に使いたいと思うサービスを集め、使いやすい形で提供しています。
人気サービスは「メンタルヘルスサポート」「商品ロス・食品ロスの削減ストア」
加入者の方に最も人気のサービスは、メンタルサポート研究所が提供する上記のような配信動画です。
厚生労働省が発表した「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活に関する強い不安やストレスを感じている労働者の割合は54.2%にのぼるといいます。メンタルサポート研究所が提供する動画では、セルフケアなどを学ぶことができ、従業員が抱える悩みの解決につながっています。
他にもクローズドマートが提供する食品・商品ロスを防ぐため、特別価格で購入できる販売サイトも人気です。賞味期限間近で一般流通が難しい食品やブランドイメージの保持、値崩れを防ぐため、やむを得ず破棄される商品を扱っています。そのため購入するだけで社会貢献につながるのも人気の理由でしょう。
福利厚生に求められているものは、従来のサービスの中心であった保養所の提供やその他エンタテインメントの提供といった、年に1回使うかどうかの特別なものばかりではありません。年に100回でも使えるような、日々の生活の中ですぐに役立つ情報や家計の助けになるサービスなのです。
SDGsの取り組みとしての「フクロー」
「フクロー」は福利厚生プラットフォームでもありますが、企業ブランディング向上のためのツールにもなっています。
たとえばSDGs的な観点からは、正規・非正規の隔てなく福利厚生サービスを提供することは雇用格差を是正する仕組みであり、「働きがいも経済成長も」の取り組みにあたります。
自分たちもSDGsに取り組みたいけれど何から始めればいいかわからない、経営体力がないので特別なことをするのは難しい。中小企業ではそういうケースが多いですが、この「フクロー」に加入することで、経営者も従業員も無理をすることなく、SDGsの取り組みに参加できます。
また福利厚生の充実とともに、SDGsへの取り組みをしていることは、採用活動にもよい影響をもたらします。この結果として、企業のブランド力を高めることにもつながります。
中小企業同士のコミュニティの創造
小売業界での経験やコロナ禍の困難な状況の中、今できることから始めたいと考えてスタートした「フクロー」ですが、現在では一種のシェアリングコミュニティとして発展しています。
フクローは、サービス提供企業同士が、互いの社販を持ち寄ることにより成り立っています。外食や小売業など非正規雇用の従業員が多く福利厚生サービスを持たない企業とオンラインで売上を伸ばしたい企業が「フクロー」というプラットフォーム上でマッチングしているのです。
つまり「フクロー」は福利厚生サービスではありますが、一方でサービスや商品を提供する側からすると集客できるポータルサイトでもあるということです。
その多機能さゆえに、フクロー導入の話をすると、「フクローの福利厚生なら人事に依頼?」「フクローのサービス提供なら営業に依頼?」と、どの部門に担当を任せたらよいのか混乱してしまう担当者もいるといいます。しかし、その選択肢が生まれるほど、アイデア次第かつ組み合わせ次第で新たな価値を創造できるプラットフォームでもあります。
「組み合わせによる新たな価値創造」は同社の理念であり、それが形になったのが「フクロー」だといえるでしょう。
さらに、次の取り組みとして中小企業向けの出向斡旋を行うサービス「99(キュウキュウ)サポート」の展開を予定しています。そこに参加する方々にもこの「フクロー」を利用してもらおうと考えています。
コミュニティの結びつきは強すぎず、弱すぎず。そのようなほどよい緩さがある方がよい、と同社では考えられています。必要なときに必要なものが提供できる環境を実現する──いつかこの中小企業の結びつきが大企業にも匹敵するようなコミュニティに発展していくことが、将来のビジョンです。