話題のサスティナブル建築とは?どんな材料使えばいいの?

話題のサステナブル建築とは?どんな材料使えばいいの?
SOCIETY

「省エネ」や「耐震性」など持続可能な建築物はその土地の風土や時代のニーズによって姿形を進化させて今日に至ります。

SDGsの推進により近年よく耳にする「サスティナブル」の波は建築物にも及んでおり、様々な建築物に取り入れられるようになっています。

本記事では、気候変動や災害などの問題に対応したサスティナブルな建築についてその概要や使用される建材、建築物の例を交えて解説していきます。

サスティナブル建築の定義

ノート

「サスティナブル建築」とは、どのような基準を満たした建築物を指すのでしょうか。

長期にわたり運用・活用することを目的とし、設計段階から施工、完成して利用されるまでの一連の流れにおいて自然環境や地域社会への配慮と耐久性を兼ね備えた建物のことです。建築における環境対応は3つの視点に分類されます。

1.地球視点

以下6項目から持続可能な開発を目指すもの

  1. 省CO2、節電
  2. 再生可能エネルギー
  3. 建物長寿命化
  4. エコマテリアル
  5. ライフサイクル
  6. グローバル基準

2. 地域視点

以下6項目から地域にとって持続可能な開発を目指すもの

  1. 都市のヒートアイランド抑制
  2. 生物多様性への配慮
  3. 自然・歴史・文化への配慮
  4. 地域や近隣への環境影響配慮
  5. エネルギーネットワーク化
  6. 地域防災・地域BCP

3. 生活視点

以下5項目から快適かつ省エネな生活環境を目指すもの

  1. 安全性
  2. 健康性
  3. 快適性
  4. 空間性
  5. 更新性

またサスティナブル建築を目指上で欠かせないことが、設計段階から、設計・施工・運用・更新・改修・解体まですべてのライフサイクルを見据える必要性があるということです。

ライフサイクルの中で5つの説明責任を担うとされる。

1.建物に対して

  • 設計・施工・運用・更新・改修・解体の各段階にわたり、「建物ライフサイクル・マネジメントの視点で一貫した方針」を有し設計に反映する、設計者としての「設計責任」を持つ。
  • 設計性能、施工性、メンテナンス性等のライフサイクル建物性能に、設計者としての「説明責任」を持つ  

2.事業に対して

  • 省エネルギー等の環境投資に対し、「最大事業価値」実現に設計者として寄与する「設計責任」を持つ。
  • 事業性について「可能な限り数値化・指標化」し、設計者としての事業価値の「説明責任」を持つ。

3.人に対して

  • 居住者及び利用者にとって、「最低基準」だけでなく、快適で知的生産性が向上し、豊かな空間性能に資する
  • 「最適基準」を想定し、設計者としての「設計責任」をもつ。
  • 人への優しさについて「可能な限り数値化・指標化」し、設計者としての居住環境性能の「説明責任」を持つ

4.社会に対して

  • 建築は私的財産であると共に社会的財産でもあるという視点に立ち、遵法性はもとより、歴史性、文化性、 景観性等の広義の社会性に対し、設計者としての「設計責任」を明確化する。 
  • 変化し続ける多様な価値観や基準に対して、設計者としての社会財産の視点での「説明責任」を持つ。

5.造り方に対して

  • 「建てる時」も「建てた後」も一貫して環境・サステナブル性に配慮し、構工法やユニット化等の生産段階の  工夫を取り込んだ、施工実現度の高い環境設計をする「設計責任」を持つ。
  • 設計・施工・運用・更新・改修・解体の各段階にわたり、設計者としての造り方の「説明責任」を持つ。

引用元:bcs_110128_h001_h004_fix (nikkenren.com)

どんな建築材料だとサスティナブル建築なのか

素材

サスティナブルな建築物には具体的にどのような材料が使用されているのでしょう。

ここでは事例を紹介していきます。

プレミアルR70

原材料の70%にアルミリサイクル材を使用した低炭素型アルミ形材。

世界的にアルミ需要が高まる一方、アルミは原材料からの加工過程で大量の電力消費が課題でした。

LIXILが開発したプレミアルR70は、リサイクル品でないものと比べて約55%のCO2削減につながる材料であることが特徴です。

木製堅ルーバー

よろい戸やガラリ戸状の板を壁面・天井の開閉部に縦横平行に並べたものをルーパーと言い、その素材が木製であるものを指します。

ルーパー自体には採光の調節、通風・換気・排煙、視線隠し、雨よけの効果がありますが、特に木製ルーパーは天然素材である点からサステナブルと言えるでしょう。

FSC認証材

NGO団体「FSC(Forest Stewardship Council)」により適切に管理された森林でできた木材・製品に与えられるマークのこと。

国産の木材では、杉、ヒノキ、カラマツなどの種類があります。

木製サッシ

サッシとは窓枠に用いられる建材や窓枠そのものを指す場合もあります。

サッシにはアルミ製や樹脂製などの素材がある中、木製サッシは製造段階や廃棄においても環境負荷が低く、適切なメンテナンスを行うことで100年以上使用可能である点がサステナブルです。

また断熱性が高い、気密性や防音性に優れるなど機能面でのメリットもあります。

保水セラミックス

保水率60%以上の高い保水性脳を持った、内部に備考な孔が空いたセラミックス素材のこと。

耐久性・対候性に優れ、保水能力と蒸発性能を生かして気候変動によるゲリラ豪雨やヒートアイランド現象への活用が期待されています。

赤土を石灰でかためた土モルタル

モルタルとはセメントと砂を水で練ったもので、住宅の外構に広く利用されています。

耐火・耐久性の特徴の他扱いやすい、デザイン性があるなどのメリットからDIYの材料としても人気です。

土モルタルとは赤土や黒土を石灰などと練って作られたもので、古くからの伝統を取り入れている点や現地の素材を調達できる点などがサステナブルなポイントです。

 SDGs建築賞(旧サステナブル建築賞)

建物(住宅)

SDGs建築賞とは

SDGs建築賞(旧サステナブル建築賞)とは、一般財団法人住宅・建築SDGs推進センターが2005年より主催する持続可能性に貢献する優れた建築物に贈られる賞のこと。

居住環境の豊かさと環境配慮を兼ね備えた建築物を表彰しSDGsの推進につなげる狙いがあります。

歴代のSDGs建築賞(旧サステナブル建築賞)5選

静岡ガス本社ビル

「3つの日本一を生かした中規模オフィスのエコモデル」と題した事務所兼ショールームの建物。

静岡の長い日照時間・季節風といった気候風土の地域特性を捉えたことがポイントです。

西日の遮断による冷房負荷削減効果のある木製堅ルーバーを採用しており、外観からも木のぬくもりが暖かな印象を与えます。

生長の家“森の中のオフィス”

豊かな自然の残る八ヶ岳南麗斜面に位置する「自然環境と調和したモデル社会づくり」を目的とした日本最大級の木造オフィス。

自然エネルギーの利用、環境保全や環境との共生をテーマとしており、建材にも森林保全のため、木材の9割に山梨県産のFSC認証材を使用している点が特徴的です。

具体的には外観にカラマツ、内装にはカラマツのフローリングが採用されています。

日本デコラックス株式会社 本社事務所

東日本大震災によるエネルギーの不安定さや、原子力発電への依存などの気づきをきっかけに電力に頼らない自立性や災害に強い建築がテーマのオフィスビル。

小規模建築としては低コスト・従来技術を生かした持続可能性が高く評価されています。

ブラインド内臓3枚ガラスの木製サッシを組み合わせて使用し、自然光の活用により証明負荷の削減に繋げる効果を生み出している点が特徴的。

押上駅前自転車駐輪場

鉄骨造2階建の自転車駐車場でありながら、丘を連想させる形状の屋根面を設置することで近隣住民や観光客の集う場・スカイツリーの見晴らし台の役割も果たす。

屋根面の環境対策として通常用いられる前面緑化ではなく、保水セラミックス、人工木製デッキ、緑化の3つの手法によりクールルーフを実現していることがポイントです。

ゆいクリニック

沖縄県にある産婦人科診療所と医者家族の住宅の複合建築。

「住まいの居心地を医院に、そして医心を住まいに」と言うコンセプトの元、木材や赤土を石灰でかためた土モルタルなどの自然素材を多く活用に、環境性や断熱性を実現していることが特徴的です。

古来の建築技術を現代技術に生かして採用している点や、沖縄の風土に合わせた設計もサステナブルなポイントとして評価を得ています。

まとめ

クラウドフォレスト

サスティナブル建築に使用される建材や、実例などを交えて紹介しました。

環境配慮型の建築物が求められる一方で、エコ建材はコストが高いものが多いなどの課題も残っています。

持続可能性を秘めたサスティナブル建築は、これからの更なる発展が期待されます。

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