SDGsに対する関心は年々増加中|大学生だからできるSDGsの取り組みとは?
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近年、SDGsは10代や20代といった若い世代の間でも周知されています。
また、SDGsに関する取り組みを何かしら行っている人や、よりよい社会をつくりたいという強い志を抱いている人も多いです。
そこで本記事では、大学生がSDGsに対してどのような関心を抱いているのか見ていきましょう。あわせて、大学ごとのSDGsの取り組みの事例や大学生だからこそできるSDGsの取り組みも紹介します。
大学生の7割以上がSDGsに関心を示している
全国大学生協連の調査結果(2019年)によると、大学生の70%以上がSDGsに関心を抱いています。
SDGsの17項目のうち大学生が特に関心を抱いている項目は、以下の3つです。
- 4.質の高い教育をみんなに
- 3.すべての人に健康と福祉を
- 1.貧困をなくそう
大学に在籍し、学びを本分とする大学生にとって教育は関心の中心のようです。
近年、教育格差の問題は深刻化しており、家庭の事情で義務教育を十分に受けられない子どもや進学の意欲があるにも関わらず、就職を選ばざるを得ない若者も珍しくありません。
また、健康と福祉、貧困は景気の低迷や物価高、少子高齢化にも深く関係します。
多くの大学生がこれらの課題に対して危機感を抱いており、誰もが安心して暮らせる社会の実現を望んでいると考えられます。
多くの大学生がSDGsに関心を抱いている理由とは
10代や20代の若い世代は彼らの親世代に比べて、SDGsをはじめとする社会問題に対して高い関心を持っているといわれています。
彼らは幼い頃からインターネットが身近にあり、自ら情報収集を行う機会も少なくありませんでした。
また、学校では社会問題について学ぶ機会も多く設けられており、自分たちを取り巻く環境問題や世界各国の人々の暮らしに目を向ける機会が多くありました。
若い世代にとってSDGsの達成は自分たちの将来にも深く関わる問題であるため、自分事としてSDGsの17項目に目を向けています。
その他にも、サステナブル商品やフリーマーケットアプリなども若者たちのSDGsへの関心を高めるきっかけになっています。
10代や20代の中には環境に配慮した商品を好んで購入する人や、不要な服をフリーマーケットに出品する人も多いです。
大学生だからこそできるSDGsの取り組み3選
前述のように、大学生の多くがSDGsに興味を示しています。持続可能な社会の実現のためにはSDGsについて興味を持つだけでなく、何らかのアクションを起こさなければなりません。
大学生は自由な時間が比較的多く、なおかつある程度自立している立場です。そのため、中高生や社会人が取り組むには難しいようなSDGsの取り組みも行えるはずです。
以下、大学生だからこそできるSDGsの取り組みを紹介します。
サークル活動として取り組む
大学生の本分といえば、勉強や研究ですが、それと同程度にサークル活動も大切といえるかもしれません。
大学によってはSDGsに関する取り組みを行っているサークルもあります。例えば、2014年、美作大学において食品ロス削減サークルが設立し、現在も活動が継続して行われています。
食品ロス削減サークルは自学の学生間だけでなく、学外のさまざまな人たちを巻き込んだ取り組みを行っています。例えば、家庭や事業者から余っている食料品を提供してもらい、支援団体などを通じて生活に困窮している方たちに配布する取り組みがあります。
食品ロス削減サークルはSDGsの目標「12.つくる責任つかう責任」につながる食品削減ロスを目指すだけでなく、地域の人たちの健康にも貢献しているといえるでしょう。
研究やコンテストのテーマにする
近年、SDGsを専門にしている教授が在籍する大学や、SDGsを研究テーマとするゼミを設けている大学は少なくありません。
こうした大学に入学すれば、一般科目の授業でSDGsについて学べるだけでなく、SDGsを専門とする教授のもとで深く学ぶこともできます。
最近は、SDGsを卒業論文のテーマにする学生やSDGsをテーマにしたコンテストに参加する学生も多いです。
卒業論文やコンテストの参加をきっかけにSDGsについて自分が疑問に思うことを調べたり、教授と議論したりする時間は大学生ならではの経験といえるでしょう。
研究に熱心に取り組んでいれば、大学院進学やSDGsの取り組みを行っている企業への就職など、卒業後の進路が見えてくることもあります。
ボランティア活動に取り組む
大学生の中には長期休暇や空きコマを利用してボランティア活動に取り組む人も多くいます。
ボランティア活動にはさまざまな種類がありますが、多くのボランティアがSDGsの項目と関係しているといえるでしょう。以下、大学生におすすめのボランティアを紹介します。
放課後学校のサポート
放課後学校のサポートはSDGsの17項目のうち「4.質の高い教育をみんなに」に関係します。
家庭の事情などにより塾に通えない子どもは少なくありません。
学校の授業についていけなくても塾に通う余裕がない子どもや、両親から勉強を教えてもらえない子どもは多いです。
あるいは、大学進学を目指しているものの、自力で勉強しなければならない状況にある子どもも珍しくありません。
義務教育での教育を終え、さらに大学入試を経験している大学生には、放課後学校に通う子どもたちのためにできることは多くあります。
高齢者のサポート
高齢者のサポートはSDGsの17項目のうち「3.すべての人に健康と福祉を」に関係します。
少子高齢化の昨今、一人で暮らす高齢者は少なくありません。また、人手不足に悩まされている介護施設も多いです。
単身世帯の高齢者の見守りサポートや高齢者が気軽に集える場の提供など、大学生が地域で暮らす高齢者のためにできることはたくさんあります。
また、多くの介護施設において人手が不足しています。福祉系の大学に在籍している学生であれば、介護士の負担を大きく軽減することができるでしょう。
また、介護に関する知識が乏しい学生であっても、高齢者の話し相手になったり、清掃などの雑務だったりとできることはあるはずです。
ゴミ拾い
ゴミ拾いはSDGsの17項目のうち「11.住み続けられるまちづくり」、「14.海の豊かさを守ろう」、「15.陸の豊かさも守ろう」に関係します。
ゴミ拾いボランティアでは、自分の住む地域や大学付近、あるいは海や河原に落ちているゴミを拾います。
ゴミが散乱した街はそこで暮らす人たちにとって衛生的に好ましくありません。
また、海や河原にゴミが散乱していれば、水の中で暮らす生きものたちに害を与える危険性も高いです。
ゴミ拾いをしている姿は周囲にも影響を与えるはずです。
ゴミを拾っている人たちの存在に気付くことで、道にゴミが落ちていたら拾わなければ、ポイ捨ては控えようといった意識が強まると考えられます。
まとめ
大学生活は自由な時間が多く、自分の興味や関心のあることに没頭できる時期です。
自分にとっても楽しく、なおかつ社会や地球環境のためになる取り組みを行ってみるのもよいかもしれません。
大学生ができるSDGsに関する取り組みには本記事で紹介した取り組み以外にもさまざまなものがありますので、自分に合った取り組みを探してみてください。