コンポストでつくった堆肥はどう使う?フードロスを減らすために実際に使ってみた③
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家庭で気軽に利用できるコンポスト。
生ごみを減らせると同時に家庭菜園の堆肥をつくることができるコンポストですが、手間やニオイが気になり、なかなか始められない人は多いのではないでしょうか。
そこで実際に「リブウェル キッチンコンポスト」を使ってレビューしています。
第1弾ではコンポストの種類や使い方について、続く第2弾ではコンポスト内で生ごみが一次発酵で堆肥化していく様子をお伝えしました。
今回は、堆肥化(二次発酵)の様子と出来上がった堆肥の利用方法などをご紹介していきます!
商品詳細:リブウェル キッチンコンポスト
コンポストでの堆肥づくりで重要な一次発酵、二次発酵とは?
コンポストで堆肥をつくるには2段階の発酵プロセスが必要です。
- 一次発酵(嫌気性発酵):空気に触れないように密閉したコンポスト内で行なう
- 二次発酵(好気性発酵):①を土の中に混ぜて行なう
コンポストで生ごみを堆肥化!フードロスを減らすために実際に使ってみた②でご紹介したのは一次発酵の経過になります。
二次発酵では、ぼかしに含まれるEM菌を利用して発酵した生ごみを土に混ぜることで良質な堆肥に育てていきます。
基本は放置でOK!二次発酵の経過をレポート
二次発酵は土に混ぜて寝かせておくだけなので、手間はかかりません。
庭の場合は穴を掘り、一次発酵を終えた生ごみを土と混ぜて埋めます。畑の場合は、畝(うね)と畝の間に穴を掘って埋めます。ベランダで家庭菜園をしている場合は、プランター等に土、一次発酵を終えた生ごみ、土という順番で生ごみを土で挟むように入れていきます。
この時、堆肥がしっかりと隠れるように土で覆います。
我が家には畑も庭もなく、余っているプランターがなかったため空き缶で代用してみました。一次発酵を終えた生ごみは漬物のようなニオイがしていますが、しっかりと土をかぶせることで、ニオイが軽減されました。
そして、風通しの良い涼しい場所に置いておくと、だんだんニオイがなくなってきているのが分かります。虫が発生することもありませんでした。
また、一次発酵したばかりの堆肥は酸性が強いため、そのまま植物や野菜の根や茎に触れると傷んでしまいます。そのため、二次発酵の際は植物を植えていないプランターで実施すると安心です。
出来上がった堆肥はどうやって使う?
二次発酵後、生ごみは1週間ほどで酸性から中性に変化するようです。中性になれば植物や野菜への悪影響はないので、堆肥として利用することができます。
土に埋めてから1週間から10日ほど経てば二次発酵の終了。
堆肥の完成です!
一次発酵終了後に形を残していた生ごみは土に埋めた後、夏は10日ほど、冬なら30日ほどで土に還元されるそうです。二次発酵30日後に土を混ぜてみました。少し形はありますが、土と同化していてどれが生ごみだったかは分からなくなっていました。
出来上がった堆肥は普通の土として、プランターや鉢植えなどに利用してくださいね。
堆肥づくりで抽出したEM活性液の活用法
コンポストで発酵を行なっている際に、容器の底に抽出液が溜まってきます。抽出液は「EM活性液(植物や野菜の液肥)」として利用できるんです。
「リブウェル キッチンコンポスト」には蛇口が付いていて、まわすとEM活性液が出てきます。
今回つくった堆肥の量は少なかったためEM活性液も多くはできませんでしたが、約1000~2000倍に薄めて利用するので少量でも充分活用できます。
またEM活性液は掃除にも活用でき、排水溝や水洗トイレに流すとニオイの緩和にもつながるようです。掃除に利用する場合は、約500倍に薄めて使うようにしてください。
EM活性液は抽出後すぐに使用できますが、日持ちはしないので1週間ほどで利用するようにしましょう。
堆肥づくり体験で感じたコンポストのメリット、デメリットとは?
コンポストでの堆肥づくりを体験して感じたメリット、デメリットをまとめてみました。
メリット
- ごみの削減に効果的
- ベランダ菜園の肥料になる
- 日々の作業に手間がかからない
コンポストを使用したことで明らかにごみの量が減少しました。
野菜くずを中心に堆肥化していたため、キッチンから出るすべてのごみを堆肥にはしていませんが、それでも劇的に少なくなります。
日々の作業も、生ごみの水分をよく切ってコンポストに入れるだけなので、ストレスなく続けることができました。
デメリット
- 堆肥を上手く作るにはコツや慣れが必要
- 家庭菜園をしていない場合、堆肥の使い道に困る
一方、堆肥づくりを成功させるには、しっかりと水分を切る、空気に触れさせないなどのコツが必要です。
ただ、何回かやっていくうちに慣れてきますし、発酵中のニオイや生ごみの変化で発酵が順調かどうか分かるようになります。上手く発酵が進んでいないと思ったら、ぼかしを追加することで調整することもできるようです。
また、畑や庭がなく、プランターなどで家庭菜園を楽しんでいる場合は、出来上がった堆肥が多いと使い道に困ることもあります。
堆肥を回収してくれる自治体もあるので、堆肥の使い道や行き場を事前に確認しておきましょう。
まとめ
3回にわたってコンポストの使い方をご紹介しました。
生ごみとして捨てられるはずだった野菜くずが堆肥として生まれ変わり、野菜や植物の栄養となる。
そういう食物の循環を身近に感じられるのもコンポストの楽しみ方のひとつかもしれません。
生ごみの削減に効果的なコンポスト。ライフスタイルに合わせて、取り入れてみてはいかがでしょうか。