アートを介して社員同士のコミュニケーションを活性化し、ビジネス思考を育む。- 美術出版エデュケーショナル

この取り組みを行っている企業・団体

株式会社美術出版エデュケーショナル

1905年に水彩画家・大下藤次郎が創刊した美術雑誌『みづゑ』を源流とする図工・美術の教材の卸売会社。小学校の図画工作科、中学・高校の美術科、専門学校や大学向けの造形教材や画材を販売しています。またアートを通じた「創造的思考力や表現力、また創発的なコミュニケーション」を醸成する企業向け教育・研修プログラムの開発・提供を行っています。

創造だけではない「アート」の楽しみ方を、社会人でも味わえる

美術出版エデュケーショナルは、2022年から教育研修事業を開始しました。

一般的には、美術教育とは絵を描いたり粘土で造形したりするだけを思い浮かべる人が多い傾向にあります。しかしその一方で、近年では多くのビジネスリーダーが経営戦略や意思決定、創造的思考の向上に役立てるためにアートに注目しています。アートは単なる趣味や文化的教養にとどまらず、企業経営やイノベーションを生み出すための重要な要素となっているのです。

例えば、アート作品が持つ多様な文脈から、テーマに沿って、個人が自分なりの解釈で物事をとらえたり、他者の異なる意見によって気づきを得たりするような機会を提供します。

実際に、社会に出ると、誰もが生まれながらに持っているはずの創造性を発揮する機会が減り、アイデアが枯渇し、創発的なコミュニケーションが減っていきます。

アートの視点を取り入れた「‟創発性”を磨くサイクル」によって、「創発的な個人と社風を醸成する」ことが同社教育研修事業のモットー。アートには趣味の範囲にとどまらず、ビジネスが求めるクリエイティブな発想や創発的なコミュニケーションにもよい影響があると言われています。これを認知させていくことが、同社研修事業の目的のひとつです。

美術出版エデュケーショナルが考える、SDGsとアートの関わり

美術出版エデュケーショナルが考える、SDGsとアートの関わり

SDGsの目標4は「質の高い教育をみんなに」。この目標には子どもだけでなく大人の学びも含まれています。

SDGsで掲げられてる目標をすべてクリアして持続的な社会を作り上げるには、既存の社会の枠組みを超えた斬新な発想が必要になると考えています。そのように社会を良い方向へ導ける新たな発想を得るには、クリエイティビティ、またコミュニケーション能力(トルツメ)を私たち一人一人が発揮していかなければなりません。

美術教科受験教科ではないため軽視されがちです。
しかし、アートには社会を動かす力があり、その力は今後ますます重要なものになると考えています。

実際に、東京藝術大学の学長にして国際的に活躍する現代アーティストである日比野克彦氏も、東京藝術大学がSDGsに取り組む理由として「本当に地球のことをイメージしながら日常の行動が変容するようになるには、『心がその気になっているかどうか』が何より大切なことだ」と述べています。その心を養う際に、アートは大きな助けになる。アートが持つ力を使えば、SDGsが掲げる目標よりさらに深まるでしょう。

「創発思考実践プログラム研修」とは?

「創発思考実践プログラム研修」とは?

同社が実施している「創発思考実践プログラム研修」には、座学ではなく、体感型でアウトプット重視のプログラム設計になっています。同社のクライアントの好事例のひとつとして、自社のビジョンを自分事化するワークが挙げられます。

このワークでは、ひとつのグループに新入社員から社長まで集まり、フラットなグループ分けを行います。キーツールとして使うのは世界中の古今東西のアート作品をポストカードサイズに印刷したオリジナルの教材「アートカード・スコープ」。

まずメンバーの一人ひとりが自社のビジョンを喩えるアート作品をカードからひとつ選び、その後グループ内でなぜそのカードを選んだのか理由を発表します。各人のビジョンをみんなで共有した後に、それらをつなげて、自社の現状を理解し、さらに未来のストーリーを作っていくものです。

このワークを行うと、グループメンバーが普段一緒に仕事をしている間柄でも、まだ知らなかった面や考えや感じ方を知ることができます。さらには自分自身の思考や認知を学ぶことができるため、メンバー同士の相互作用によって新たな発見があるのです。

アートは「自分なりの正解を導き出す世界」。自由な発想や柔軟な思考を鍛えるのに適しているといわれています。会社のビジョンをアート作品で例えることにも、決まった答えはありません。そこで、多様な角度から物事を観察し、新しい視点やアイデアを生み出し、未知の組み合わせを試し、新しい価値を見出していく。これは、アートにもビジネスにも共通する部分だといえます。

研修に欠かせないオリジナル教材|アートカード「SCOPE」のご紹介

研修に欠かせないオリジナル教材|アートカード「SCOPE」のご紹介

「アートカード」は、アート鑑賞をもっと能動的に、もっと楽しくするツールとして開発された「SCOPE(スコープ」という商品です。「西洋美術」「日本美術」「現代美術」「工芸・立体・マルチカルチャー」「建築」など多岐にわたるアートを65枚のカードにまとめたものです。

ポストカードサイズに印刷された作品を使い、手元で「みる」ことができます。学校教育向けの鑑賞教材として10年以上前に開発され、現在では社会人教育にも展開されています。

今後の展望・目標|アートカードで社員一人ひとりの人間性を育む

今後は企業へ研修プログラムの提供のほか、アートカードを使ったワークショップを共に実践してくれる仲間を広く募ることを目標としています。アートがもたらす創造性、ひいては心豊かな人間性醸成の場づくりを目指します。

2025年3月時点では、「アートカードを使うワークショップデザイナー養成講座」を不定期で開催。SDGsで掲げられている持続可能な社会、そしてさらにその先にあらゆる人の感性や創造性が響き合う豊かな社会実現のため、今後もアートを軸に事業を行っていきます。

この取り組みをシェアする

この取り組みを行っている企業・団体

1905年に水彩画家・大下藤次郎が創刊した美術雑誌『みづゑ』を源流とする図工・美術の教材の卸売会社。小学校の図画工作科、中学・高校の美術科、専門学校や大学向けの造形教材や画材を販売しています。またアートを通じた「創造的思考力や表現力、また創発的なコミュニケーション」を醸成する企業向け教育・研修プログラムの開発・提供を行っています。

No related posts...