ひとつのクッキー、シアワセふたつ。 「1piece for 2PEACE」プロジェクト
1piece for 2PEACEプロジェクト
シクミオ株式会社がおこなう「1piece for 2PEACE」プロジェクトは、港区の障害福祉センター「みなとワークアクティ」と組んで実施しています。このプロジェクトは以下のサイクルで運営されています。
- 1.「みなとワークアクティ」の障がい者の方々が作るクッキーを販売会等で購入
- 2. そのクッキーを港区内で実施しているフードパントリーに寄付してもらう
- 3. 実際に当事者へ配布する
購入するクッキーにはプレミア価格がついており、心をこめてクッキーを作った障がい者の賃金に上乗せされます。購入者はクッキーを買うだけで、障がい者の工賃アップの支援とともに生活困窮世帯へのサポートをすることができます。
上記の図のようにクッキーを購入される方を中心に、障がい者就労施設とフードパントリーを結ぶことが「1piece for 2PEACE」です。このように関係するすべての人たちが三方良しの状態になることができる、おいしい社会貢献プロジェクトです。
今年3月から東京・港区でスタート
「1piece for 2PEACE」プロジェクトの第一弾は今年3月13日、シクミオ社の地元の東京・港区で実施されました。富裕層の多い港区でも生活困窮世帯は200世帯以上あると言われており、なんらかの生活支援が必要な家庭はさらに多くなります。
そのような家庭の方々に食料を配布しているNPO法人みなと子ども食堂が主催するフードパントリーにてクッキーの配布を実施しました。今後は配布する頻度や種類を増やしていく予定です。
今回配布したクッキーを製造したみなとワークアクティは、就労継続支援B型事業所にあたります。一般企業の就労が困難な障害のある方々に仕事を提供し、自立を支援しています。障がい者との雇用契約は結ばず、作業した分の工賃を支払う形となります。主な活動には、今回の焼き菓子の製造のほかに軽作業の受注・屋外の公園清掃・製造した菓子の販売や喫茶業務があります。
このような活動をみなとワークアクティとスタートした経緯を水上氏に伺ったところ、みなとワークアクティとの出会いは入居しているオフィスビルのオーナーからでした。そこで同じ町内会にある、障がい者施設の方々の実情を知ったとのことです。
「東京都の最低賃金が1100円程度なのに対し、障がい者の皆さんが行っている業務を時給換算にすると250円程度である」と知り、「適切な金額で仕事が受けられる“シクミ”を考えていこう。そのことが当社の得意とするところで社会貢献につながっていく」と考えて、活動をスタートさせました。
自社の事業領域から、新しいプロジェクトへ
現在、シクミオが得意とする物流業務のなかで、封入作業など障がい者の方にも負担のない業務を依頼しています。しかしそもそも作業単価が低いため、 “適切な金額”を達成させることが難しいのが現状です。
一方、みなとワークアクティではもともとクッキーをはじめとしたお菓子の製造を行っています。そこで、お菓子の製造・販売の仕組みや機会を創出するイベントを考えれば利益を高く設定でき、賃金アップが見込まれると考えたそうです。シクミオとしては、現在では物流業務の依頼とともに、クッキーの製造・販売の企画などのアイデア出しをシクミオが行っています。
そのアイデアの一つが「1piece for2PEACE」プロジェクトです。
さらに発展して、誰もがお得にパッケージデザインを発注できる企画も
このプロジェクトのほかにも、シクミオとの企画で「スノーボール・プレミア」も開発しています。みなとワークアクティと一緒に行うからこそできることは複数あります。例えば1ロットなど少量からの受注、またパッケージに周年記念や結婚式、新任あいさつなどの状況にあわせたデザインやメッセージを入れられるようなクリエイティブ制作などです。
430円と破格の値段であり、大手のような最低注文数もなく、状況に合わせたパッケージデザインを可能にすることで、利用者を増やしています。パッケージデザイン、印刷はシクミオで行います。
これらの活動も、結果的には障がい者の方々の賃金アップへとつながっていくことになります。
中小企業でもできるこのシクミを、全国に展開していく
シクミオとしては今後「1piece for2PEACE」プロジェクトと同じ仕組みを全国に展開することで、全国の障がい者の方々の賃金をアップして、生活困窮世帯へのサポートをしていくことを狙っています。