【地方創生とSDGs】地方における「持続可能なまちづくり」の取り組みを紹介

【地方創生とSDGs】地方における「持続可能なまちづくり」の取り組みを紹介
SOCIETY

持続可能な日本社会の実現のためには地方創生が不可欠といえるでしょう。

大学進学や就職などをきっかけに地方から大都市圏に移り住むことを選択する人が増えており、地方の人口が激減しています。人口が減った地域は地域産業の維持や資金繰りなども困難に。そうしたなかで、地方創生のためにSDGsを視野に入れながら目指す自治体も少なくありません。

そこで本記事では、地方創生とは何か確認した上で、地方創生にSDGsが必要な理由を解説します。あわせて、各自治体のSDGsの取り組みも紹介します。

地方創生とは

地方創生とは政府が地方の活性化を目指し、2014年に立ち上げた政策です。

地方創生を進めていくにあたり「まち・ひと・しごと創生本部」が設置され、ここで議論して定められた方針が「まち・ひと・しごと創生基本方針」として毎年発表されています。

地方創生が唱えられるようになった最大の要因として、日本の人口減少が挙げられます。日本における人口は年々減少している傾向にあり、2060年には8000万人台になるという憶測もあります。

その一方で、東京一極集中という現象が起きており、東京の人口推移は2009年から右肩上がりで年々増加。日本の総人口が減少し、地方の人口が減少している一方で、東京のみ人口が増加しているのです。

こうした現象により、住民からの税収入が減少し、インフラ整備や公共施設の運営などが困難になっている地方自治体は少なくありません。

政府は各地域で住みやすい環境を整え、東京だけでなく、地方にも人が集まることを目標に地方創生を唱えたのです。

地方創生SDGsとは

SDGs

地方創生SDGsとは、SDGsを原動力とした地方創生のことです。

SDGsが掲げる17の項目を考慮しながら、自治体がその地域の運営方針や目的を決めていきます。

地方創生とSDGsには結びつくものが多いです。

例えば、地方創生では十分な雇用の機会を提供し、人々が安心して働けるようにすることを目標にしています。この目標はSDGsの17項目のうち、「11. 住み続けられるまちづくりを」に通じます。

また、SDGsの目標「3. すべての人に健康と福祉を」はその地域に住む人たちの健康的な暮らしの他、高齢者が安心して暮らせるような福祉の充実化にもつながります。

その他にも、SDGsの目標「質の高い教育をみんなに」を達成するためには、自治体による公教育の充実化や、貧困家庭のサポートが不可欠といえるでしょう。

その地域で暮らす人たちにとって住みやすい地域社会の実現に向けた取り組みは、SDGsの目標達成に向けた取り組みにもおのずと重なるのです。

各自治体のSDGsの取り組みを紹介

すでにSDGsを取り入れた地方創生の取り組みを実施している自治体があります。ここでは、4つの自治体が実施している取り組みを見ていきましょう。

北海道上士幌町

北海道上士幌町

引用元:北海道上士幌町HP

北海道上士幌町は次世代高度技術の社会実装によるスマートタウンの構築を進めています。スマートタウンが実現すれば、全世代のコミュニケーションの活性化や、地域住民の移動の利便性の向上を期待できます。

また、この町は畜産バイオマスを核としたクリーンエネルギーの地産地消を目指しています。エネルギーの地産地消を実現することで、停電に強い町を構築できます。

栃木県宇都宮市

栃木県宇都宮市

引用元:栃木県宇都宮市

2019年、栃木県宇都宮市は内閣府の推進する地方創生SDGs事業のSDGs未来都市に選定されました。

宇都宮市にはSDGs人づくりプラットフォームという団体があります。この団体は市内のステークホルダーによって構築された宇都宮市もったいない運動市民議会が基盤です。SDGs人づくりプラットフォームはSDGsを広める母体として活動しており、SDGsを議題としたシンポジウムン開催や勉強会の開催などを行っています。

また、宇都宮市はSociety5.0社会対応型シュタットベルケにも取り組んでいます。この取り組みでは、統合型情報プラットフォームのシステム・インフラを活用することで、地域の新電力会社をまちづくり会社(シュタットベルケ)へと発展させていくことを目指しています。

まちづくり会社は情報プラットフォームを活用した課題の解決を目指し、ITを活用することで公共交通機関の利便性向上を図るシステムも提供していく予定です。

富⼭県南砺市

富⼭県南砺市

引用元:富⼭県南砺市

2013年より、南砺市ではエコビレッジ構想を策定し、小さな循環による地域デザインに取り組んできました。

南砺市は約8割が森林地帯であるため、地域の森林資源を活用した木質ペレットの製造、および流通を展開しています。地元の資源とエネルギーを活用し、経済をまわしていこうという取り組みです。また、木質ペレットは再生可能エネルギーであるため、CO2の削減にも貢献できます。

その他にも、南砺市は社会的困窮者を対象にした休眠預金を活用した助成金の給付も行っています。不登校の児童生徒や孤立状態にある産前産後の女性、経済困窮者などをサポートする団体に資金援助を行っています。

福井県鯖江市

福井県鯖江市

引用元:福井県鯖江市

鯖江市は前述の宇都宮市同様、SDGs未来都市に選出されています。

鯖江市はJK課を2014年に設置し、女子高生が中心となったチームとともに活動を行っています。この課が行っている活動は東京大学や津田塾大学などで鯖江市のPRを兼ねた講義の実施、鯖江市の特産品を扱った商品開発、市内のイベントでのボランティアなどさまざまです。

JK課の活動は国家的にも高く評価されており、ふるさとづくり大賞の総務大臣賞や、全国地域づくり表彰の全国地域づくり推進協議会会長賞など多くの賞を受賞しています。

鯖江市のJK課の取り組みはSDGsの目標「5. ジェンダー平等を実現しよう」にも深く関わります。その成果なのか、鯖江市のある福井県は女性就業率が国内でも高く、多くの女性たちが社会で活躍しています。

地方創生SDGsの促進には官民連携プラットフォームを活用しよう

自治体がSDGsと地方創生の実現を目指していくのであれば、民間や市民から協力を得ることは不可欠です。とはいえ、自治体と民間がパートナーシップを締結することに難しさを感じている方もいるのではないでしょうか。

民間と協同で政策を進めていきたいと考える地方自治体には、地方創生SDGs官民連携プラットフォームの活用がおすすめです。このプラットフォームを使うことで、SDGsに興味を持っている企業に出会うことができます。

地方創生SDGs官民連携プラットフォームを活用するメリットは主に以下の3つです。

  • マッチング支援 
  • 普及促進活動
  • 分科会開催

プラットフォームを活用することで、事前のアンケートの結果に基づいて相性のよい会員とつながることができます。

また、イベントなど会員間で情報や知識を共有できる場にも参加できます。

まとめ

地方における人口減少は深刻な問題です。日本全体で出生率が低下している中、進学や就職を機に地元を離れる若者も多く、地方では働き手の不足などさまざまな問題が生じています。

こうした問題を解決するためには地方部にも人が集まるよう、雇用先の充実化や、多くの人に住みたいと思ってもらえるようなまちづくりが必要です。

その地域の風土を活かした事業、高齢者や若者に対するサポートの充実化、公教育の充実化などをいかに行っていくかが各地方における課題となっています。

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