東京でできる保護犬のボランティアはある?動物愛護を考えよう
環境問題
犬や猫などのペットを家族として迎え、日々の暮らしを共にする人は少なくありません。ペットとの生活は、私たちに癒しや喜びを与えてくれる一方で、命を預かる以上、最後まで責任を持って飼育することが大切です。
しかし、すべてのペットが家族として最後まで共に過ごせるとは限りません。 飼い主の様々な事情から捨てられてしまったり、虐待を受けていたりするペットもいるのが現状です。筆者の実家で飼っている柴犬も、元は保護犬です。保護主さんが里親を探していたところ筆者の父が引き取りました。
この「里親」になるという行為も、悲しい動物を減らすためにできるボランティア活動の1つです。この記事では、保護犬のボランティアにはどのような種類があるのか、ボランティアに参加する際の注意点をご紹介します。
保護犬のボランティアとは

さまざまな事情によって飼い主のもとを離れた犬たちは、自治体や動物保護団体などに保護され、新しい家族を探すことになります。しかし、保護された犬が新しい家庭で暮らせるようになるまでには、日々の世話や健康管理、譲渡先を探す活動など、多くの支えが必要です。
保護犬ボランティアは、こうした保護や譲渡活動を支え、犬たちが新しい生活を始められるようサポートする活動です。
犬のお世話だけでなく、保護犬と新しい飼い主をつなぐ活動など、さまざまな形で犬たちを支えています。また、保護犬の命を救い、殺処分される犬を減らすことにもつながります。
ここでは、まず保護犬とはどのような犬なのか、そして保護犬ボランティアがどのような役割を担っているのか、なぜこうした活動が必要とされているのかについて見ていきましょう。
保護犬とは
保護犬とは、飼い主と暮らせなくなったり、迷子になったりするなど、さまざまな事情から自治体や動物保護団体などに保護され、新しい飼い主を探している犬のことです。
東京都では、2024年度に所有者から45頭、拾得者から40頭の犬が引き取られたほか、負傷した犬6頭が収容されています。また、同年度には53頭の犬が譲渡された一方、7頭が致死処分となっています。
全国でも、2024年度に自治体が引き取った犬は17,399頭にのぼります。そのうち8,797頭が譲渡され、1,964頭が殺処分されました。犬の引取り数や殺処分数は以前と比べて減少していますが、現在も新しい飼い主を必要とする犬がいることが分かります。
保護される理由は、飼い主による飼育放棄だけではありません。迷子になった犬や、飼い主の病気・高齢化、経済的な事情などによって飼育を続けられなくなった犬、虐待や不適切な飼育環境から保護された犬など、その背景はさまざまです。
保護犬ボランティアの活動
保護犬ボランティアは、保護された犬の生活を支え、譲渡に向けた準備や里親探しなどを行います。
活動内容は団体によって異なりますが、犬の食事や散歩、健康管理、一時預かり、保護犬の搬送、里親募集のための情報発信などがあります。また、譲渡後の飼育相談や、動物愛護について知ってもらうための啓発活動を行う団体もあります。
このように、保護犬ボランティアには、犬の身の回りの世話から譲渡活動のサポートまで、さまざまな関わり方があります。
保護犬ボランティアの重要性
保護犬を取り巻く問題を解決するには、自治体や動物保護団体だけでなく、地域の人々が協力していくことが重要です。
保護された犬を継続的にケアしながら新しい飼い主を探すには、人手や時間が必要になります。ボランティアがこうした活動を支えることで、保護された犬の受け入れ先を確保したり、譲渡の機会を増やしたりすることにつながります。
また、保護犬について知ることは、動物を飼う責任や、飼育が難しくなったときの適切な対応について考えるきっかけにもなります。ボランティアへの参加は、目の前の犬を助けるだけでなく、動物の命を大切にする社会を考える一歩といえるでしょう。
ボランティアの種類

今回ご紹介するのは、下記の5つのボランティアです。
- ミルクボランティア
- シェルターボランティア
- 譲渡ボランティア
- 災害時動物救護ボランティア
- 里親
ミルクボランティア
ミルクボランティアとは、一時的に保護犬を預かるボランティアです。
預かる対象は子犬や子猫など、人に慣れるのに必要な期間、実際に世話を行います。ミルクなどではなく、固形フードを食べられるようになるまでの期間が目安になります。時期にすると大体1〜2ヵ月です。
保健所に犬が帰った後、無事に受け取り手が現れた場合は、新しい飼い主さんへ引き渡されます。
シェルターボランティア
シェルターボランティアは、災害時に現地動物救護本部が設置した動物救護施設で、サポートするのが主な活動です。
運営、健康、飼養の管理を行います。ただ、一般的には健康管理に関しては、獣医の専門になるため、運営、飼養のボランティアを行うのが一般的です。
譲渡ボランティア
保護された犬や猫の新しい飼い主を探すボランティアです。
適正がある新しい飼い主を探したり、見つかれば手続きのサポートをしたり、アドバイスを行ったりします。また、譲渡会を定期的に開催します。
里親希望の方に保護犬と実際に触れあってもらい、相性の良い犬を見つけてもらうサポート役です。
災害時動物救護ボランティア
大規模な地震などが起こった時、多くの飼い主がペットを連れて避難所に避難します。
飼い主やペットにとっても、慣れない場所での生活においてストレス回避に繋がりますが、避難所にいる他の方には、動物アレルギーの方や、動物が苦手な方もいます。そのため、あらかじめ災害時に動物の救護活動を事前に応募している地域もあります。
具体的な支援内容としては、ペットの世話、清掃管理、飼い主へのアドバイス、飼い主が怪我などで飼育困難になった際の保護、支援物資の運搬などがあります。
もちろん災害時に必ずボランティアへ参加する必要はなく、あくまで身の安全や、健康面が問題なければボランティアへ参加する形になります。
里親
犬と里親の出会い方は様々です。ネット上のWEBサイトから選んだり、譲渡会で実際に保護犬と触れ合い、相性の良い犬を選ぶ方法があります。
元の飼い主さんの事情で飼えなくなった、怪我の後が残っている都合で販売できない犬など、様々理由から保健所に連れてこられます。引き取り手が現れなかった場合は、そのまま殺処分されてしまう保護犬は沢山います。
譲渡会の開催側としては、「新しい飼い主を見つけること」が最大のミッションです。
東京で保護犬ボランティアを行っている団体

東京都には、保護犬の譲渡や一時預かり、散歩など、さまざまな形で動物の保護活動を行っている団体があります。なかでも東京都が登録する「譲渡対象団体」は、都の譲渡事業に協力し、新たな飼い主探しを非営利で行っている団体です。
ここでは、東京都に登録されている団体の中から、活動内容や特徴が異なる5団体を紹介します。自分にできるボランティア活動を探す際の参考にしてみてください。
1.特定非営利活動法人アルマ
アルマは、関東圏の動物愛護センターなどから犬や猫を引き取り、新しい飼い主への譲渡を行っている団体です。東京都葛飾区には「アルマ東京ティアハイム」という都市型シェルターを設け、保護犬・保護猫のケアや譲渡活動、動物愛護に関する啓発活動などを行っています。
ボランティアでは、犬猫の食事や散歩、ケージの掃除、トリミングなどの世話に加え、事務局のサポートなどにも参加できます。月に1回や、犬の散歩を2時間程度など、参加できる時間に合わせて活動できる点も特徴です。
2.Perro Dogs Home(ペロ・ドッグズ・ホーム)
Perro Dogs Homeは、迷子になった犬や、飼い主が飼育できなくなった犬、動物愛護センターに収容されて飼い主が迎えに来なかった犬などを保護し、新しい家族を探している団体です。飼育が難しくなった飼い主への相談や、飼育継続のためのサポートにも取り組んでいます。
ボランティアの活動には、保護犬を家庭で預かる「預かりボランティア」や、犬を動物病院などへ移動させる搬送などがあります。保護犬と実際に暮らしながら支援したい人や、車を使った活動で協力したい人に向いています。
3.イングリッシュコッカースパニエル・レスキューネットワーク
イングリッシュコッカースパニエル・レスキューネットワークでは、保護犬のレスキュー活動を支えるさまざまなボランティアを募集しています。
ボランティアの主な活動は、保護が必要な犬の状況確認や里親候補者との面談、犬の運搬、一時預かりなどです。一時預かりでは、短期間の緊急預かりから、里親が決まるまでの中長期の預かりまで対応し、犬のケアやリハビリ、運動、基本的なしつけなどを行います。
このほか、レスキュー活動に必要な資金を集めるチャリティ活動や、インターネット・事務作業などを担う事務局業務もあります。犬と直接関わる活動だけでなく、情報発信や運営面から保護活動を支えることもできます。
4.CAJA(カヤ)の会
CAJA(カヤ)の会は、動物愛護センターなどに保護・収容された犬や猫を引き取り、新しい飼い主への譲渡を行っている団体です。東京都の譲渡対象団体にも登録されており、犬・猫の保護活動に加えて、動物愛護の普及や啓発にも取り組んでいます。
ボランティアでは、保護犬を一般家庭で預かる「一時預かり」や、動物病院・預かり先などへの搬送、動物愛護について広める啓発活動などがあります。特に一時預かりは、保護犬が新しい家族と出会うまでの生活を支える重要な役割です。また、寄付金だけでなく、ドッグフードやペットシーツ、リードなどの物品を提供する形でも支援できます。
5.特定非営利活動法人 保健所の成犬・猫の譲渡を推進する会
保健所の成犬・猫の譲渡を推進する会は、東京都の譲渡対象団体に登録されている犬・猫の保護・譲渡団体です。保健所や動物愛護センターなどに収容された犬猫を保護し、治療や不妊・去勢手術などを行ったうえで、新しい飼い主への譲渡を進めています。
ボランティアでは、保護犬の搬送や一時預かり、譲渡会の運営補助などを募集しています。搬送では茨城県笠間から町田までの移送、一時預かりでは中型犬・大型犬を里親に譲渡できるまで預かる活動などがあります。また、譲渡会では会場の準備・片付けや支援物資の対応、宣伝活動などを行います。
保護犬のボランティアに参加する際の注意点

ボランティアは、「ただ動物が好き」「試しにやってみたい」といった軽い気持ちで始めるのではなく、命を預かる責任があることを理解したうえで参加することが大切です。
保護犬の世話や救助活動は、無償で行われることが多く、活動内容によっては継続的な時間や労力が必要になります。例えば、ミルクボランティアは、2ヶ月程度、保護犬を家族の一員として育て上げなければなりません。また、一時預かりでは、犬の健康管理や散歩、しつけなどを行い、里親が決まるまで責任を持って世話をする必要があります。
ここでは、保護犬ボランティアに参加する際に知っておきたい注意点を紹介します。
活動内容や参加条件を事前に確認する
保護犬ボランティアには、一時預かりや搬送、散歩、譲渡会の運営補助など、さまざまな活動があります。団体によって活動場所や募集条件が異なるため、参加前に公式サイトなどで詳細を確認しましょう。
東京都内の団体であっても、保護場所や譲渡会場が都内にあるとは限りません。東京近郊への移動が必要な場合もあるため、自宅から活動場所までの距離や交通手段、参加にかかる時間などを確認しておくことが大切です。
犬を預かる責任と家庭環境を考える
保護犬は、健康状態や性格、これまでの生活環境などがそれぞれ異なります。特に一時預かりでは、家族の同意や先住動物の有無、住居の環境、留守番の時間なども考慮する必要があります。
団体によっては、預かり先の家庭に条件を設けている場合もあります。自分や家族が無理なく犬を受け入れられる環境かを事前に確認し、最後まで責任を持って世話ができるかを考えたうえで参加しましょう。
活動にかかる費用や支援内容を確認する
保護犬ボランティアは無償で参加する活動ですが、交通費や活動に必要な物品などの費用が発生する場合があります。団体によっては、搬送にかかる高速代や交通費、預かり中の飼育費用などを実費精算している場合もあります。
費用の支給範囲や自己負担の有無は団体ごとに異なるため、参加前に確認しておきましょう。特に東京近郊で搬送や譲渡会の手伝いをする場合は、移動にかかる費用についても確認することが大切です。
団体のルールを守り、困ったときは相談する
保護犬の安全や健康を守るため、団体が定めた飼育方法や連絡手順などのルールを守る必要があります。活動中に犬の体調や行動に変化があった場合や、対応に迷った場合は、自己判断せず担当の職員や団体のメンバーに相談しましょう。
保護犬の中には、病気やけが、過去の経験による不安などを抱えている犬もいます。問題を一人で抱え込まず、団体と連携しながら、犬のペースに合わせて対応することが大切です。
まとめ|東京で参加できる保護犬ボランティアを探してみよう

保護犬ボランティアは、保護された犬の命を支え、新しい家族との出会いをつなぐ大切な活動です。一時預かりや搬送、散歩、譲渡会の運営補助、物資の支援など、活動内容はさまざまで、犬を直接預かることだけがボランティアではありません。
ただし、保護犬は健康状態や性格、過去の経験がそれぞれ異なります。参加する際は、犬の命を預かる責任を理解し、団体のルールや活動条件を守ることが大切です。活動場所や参加条件、費用の扱いなども、事前に確認しておきましょう。
東京都内や東京近郊には、保護犬の譲渡や支援に取り組む団体が複数あります。無理なく継続できる方法で、命を救うボランティア活動に参加してみてください。







