COP31はいつ・どこで開催?トルコ開催の意味や注目テーマをわかりやすく解説

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COP31はいつ・どこで開催?トルコ開催の意味や注目テーマをわかりやすく解説

2026年11月、世界各国が気候変動対策について話し合う「COP31」が開催されます。

COPという名前はニュースなどで耳にするものの、「そもそも何をする会議なの?」「開催国はどうやって決まる?」「日本に住む私たちにも関係がある?」と疑問に思う人も多いかもしれません。

2026年のCOP31は、地中海に面するトルコの都市・アンタルヤが舞台です。さらに今回は、トルコが議長国を務めながら、オーストラリアが気候交渉を主導するという、これまでとは異なる協力体制が組まれています。

この記事では、COP31の開催日程や場所といった基本情報から、開催国が決まる仕組み、トルコ・アンタルヤで開催される意味、COP31で注目されるテーマまでわかりやすく解説します。

COP31とは?2026年11月にトルコ・アンタルヤで開催

COP31とは?2026年11月にトルコ・アンタルヤで開催

COP31とは、「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」の第31回締約国会議です。COPは「Conference of the Parties(締約国会議)」の略称で、気候変動対策について各国が交渉を行う世界最大級の国際会議です。

1992年に採択された国連気候変動枠組条約を土台として開催されており、2015年のCOP21では世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求する「パリ協定」が採択されました。

COP31の開催概要は次の通りです。

  • 開催期間:2026年11月9日(月)~20日(金)
  • 開催地:トルコ・アンタルヤ
  • 会場:Antalya EXPO Center
  • 議長国:トルコ
  • COP31議長予定者:ムラト・クルム環境・都市化・気候変動相
  • 交渉議長:オーストラリアのクリス・ボーエン気候変動・エネルギー相

UNFCCCによると、11月11~12日には各国首脳らが参加するWorld Leaders Climate Action Summitも予定されています。COP31では、これまで国際社会が掲げてきた気候目標を、実際の政策や投資、事業へどう移していくかが大きなテーマになります。

COP31議長国側も、今回の会議を「Implementation COP(実行のCOP)」、そして「COP of the Future(未来のCOP)」と位置づけています。つまりCOP31は、新しい約束をつくることだけではなく、すでに交わした約束をどう実行に移すのかが問われる会議なのです。

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そもそもCOPの開催国はどうやって決まる?

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オリンピックや万博のように、複数の候補国を比較して「最も適した国」を国連が選んでいると思う人もいるかもしれません。しかし、COPの開催国を決める仕組みは少し異なります。

COPの議長国は原則として、国連における5つの地域グループの間で持ち回りとなっているからです。対象となるのは「アフリカ」「アジア太平洋」「東欧」「中南米・カリブ」「西欧・その他(WEOG)」の5つのグループ。開催を担当する地域グループの加盟国が協議を行い、その地域を代表してどの国が開催を申し出るかを決定します。その後、候補国からUNFCCC事務局へ正式に開催の申し出が行われます。

さらにUNFCCC事務局が、会場や交通、技術、財政面など大規模な国際会議を受け入れるための条件を備えているか確認し、COP本会議で正式に開催地が決定される仕組みです。そのため「気候変動対策が最も進んでいる国がCOPを開催する」という仕組みではありません。

また、議長国と実際の開催地が必ず一致するわけでもありません。たとえばCOP23ではフィジーが議長国でしたが、大規模会議を開催するための事情から、実際の会議はドイツ・ボンで行われました。COPの開催地を見るときは、「なぜその国が選ばれたのか」だけではなく、こうした国連の地域ローテーションの仕組みを知っておくことも大切です。

COP31ではトルコとオーストラリアの双方が開催を希望していた

COP31が注目される理由のひとつが、開催国決定までの経緯です。COP31については、トルコとオーストラリアがともに開催を希望していました。

最終的にはCOP30においてトルコの開催申し出が受け入れられましたが、単純に「トルコに決まり、オーストラリアが撤退した」という形にはなりませんでした。

両国の合意によって、トルコがCOP31議長国・開催国となり、オーストラリアが「President of Negotiations(交渉議長)」を担うという新しい協力体制が採用されたのです。正式な「Türkiye-Australia Partnership Modalities」では、トルコ側がCOP31議長を務め、開催や首脳級会合、Action Agendaなどを担当します。

一方、オーストラリア側の代表はCOP副議長に就任したうえで、COP31における交渉を主導します。交渉についてはオーストラリア側の「President of Negotiations」に権限が委任され、トルコと協議しながら進める仕組みです。COP31議長予定者のムラト・クルム氏も、このトルコ・オーストラリア方式について、過去のCOPとは異なる新しい協力モデルだと説明しています。

なぜトルコ・アンタルヤでCOP31を開催するのか

なぜトルコ・アンタルヤでCOP31を開催するのか

COP31の舞台となるアンタルヤは、トルコ南部、地中海に面する都市。先ほど紹介した通り、COP開催地は地域グループ内での調整や国からの開催申し出、大規模会議を開催できるインフラ、財政・技術面など、複数の条件を経て決定されます。

一方で、地中海沿岸のアンタルヤで世界の気候変動対策を議論することには、象徴的な意味を見いだせるのではないでしょうか。

気候変動の影響を受けやすい地中海地域だから

トルコは地中海地域に位置し、気候変動による熱波、干ばつ、洪水、山火事などの影響を受けやすい国のひとつ。世界銀行もトルコを含む地中海地域について、熱波や干ばつ、洪水、暴風などに対する脆弱性を指摘しています。近年はこうした気候関連災害が地域社会や企業活動にも影響を与えており、気候変動への「適応」が重要な課題となっています。

アンタルヤを含むトルコ南部では森林火災のリスクも無視できないのです。地中海・エーゲ海沿岸を中心としてトルコの森林の広い範囲が山火事リスクにさらされているという指摘もあることは留意しておきたいものです。

世界各国が会議室の中で「将来の気候変動」を議論する一方、その窓の外に広がる地中海地域では、すでに気候変動への対応が現実の社会課題になっています。

その意味でアンタルヤは、「気候変動は未来の話ではない」というCOP31の背景を実感しやすい場所だといえるでしょう。

トルコはエネルギー転換の途中にあるから

もうひとつ注目したいのが、トルコ自身のエネルギー事情です。

国際エネルギー機関(IEA)が2026年9月に公表したレポートによると、トルコでは再生可能エネルギーの導入が進み、2025年には発電量の43%を再生可能エネルギーが占めました。トルコ政府は2053年のネットゼロを掲げ、2025年には初の気候法も成立しています。IEA

しかし、その一方で化石燃料への依存も残っています。2024年には石炭が一次エネルギー供給の約4分の1を占め、発電量では3分の1を超えました。再生可能エネルギーを増やしながら、既存のエネルギーシステムとの折り合いをどうつけるのか。これはトルコだけの問題ではありません。日本を含め、脱炭素とエネルギーの安定供給を両立しなければならない多くの国に共通する課題です。

「完成した脱炭素社会」でCOPが開かれるのではなく、エネルギー転換の真っただ中にある国で、その実行方法について話し合う。この点も、COP31を見るうえで興味深いポイントです。

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COP31では何が話し合われる?注目されるテーマ

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COP31の詳細な交渉結果は、当然ながら会議が終わるまでわかりません。また、COP31議長国が掲げる「Action Agenda」と、各国政府が正式に交渉して採択するCOP決定は同じものではありません。

その点を踏まえたうえで、開催前の現在、COP31議長国が特に力を入れているテーマを見ていきましょう。

「約束」から「実行」へ進むImplementation COP

COP31を理解するうえで重要な言葉が「Implementation COP(実行のCOP)」です。2015年にパリ協定が採択されて以降、世界各国は温室効果ガス削減目標をはじめ、さまざまな気候変動対策を掲げてきました。

しかし、目標を発表するだけでは気温上昇を止めることはできません。

  • 発電所や送電網をつくる
  • 建物の省エネルギー化を進める
  • 企業が生産方法を変える
  • 農業を気候変動に強くする
  • 必要な地域へ資金を届ける

こうした具体的な社会の仕組みへ落とし込んで初めて、国際的な目標は現実の変化につながります。COP31議長国は「Dialogue(対話)」「Consensus(合意)」「Action(行動)」を基本原則として掲げ、各国の約束を測定可能な成果へ変えていく方針を示しています。

クリーンエネルギーへの転換と「電化」

COP31で特に前面に出ているテーマが、エネルギー転換と電化です。COP31議長国はAction Agendaの目標として、世界の最終エネルギー需要に占める電力の割合を2035年までに35%へ引き上げる「35% by 2035」を掲げています。

ここでいう「電化」は、単に電気をたくさん使うという意味ではありません。たとえば化石燃料を直接燃やしていた自動車や暖房、産業設備などを電気で動かし、その電力自体を再生可能エネルギーなど低炭素な電源へ切り替えていく考え方です。

同時に、再生可能エネルギーを増やすだけでは電力システムは成り立ちません。送電網や蓄電、エネルギー効率なども重要なテーマとして位置づけられています。

ごみ削減とサーキュラーエコノミー

ごみとサーキュラーエコノミーも無視できません。COP31議長国は、廃棄物の増加を2035年までに半減させることや、製造・生産分野で循環型素材の利用割合を少なくとも15%へ引き上げることなどをAction Agendaの目標として示しています。

気候変動対策というと再生可能エネルギーやEVなど「エネルギー」の話を想像しがちです。しかし、私たちが使う製品には、原料の採掘、製造、輸送、使用、廃棄という長いライフサイクルがあります。

大量につくり、大量に使い、大量に捨てる経済から、修理や再利用、リサイクルなどによって資源を循環させる経済へ移行することも、温室効果ガスの削減につながります。

「捨てない」という身近な行為と、世界規模の気候変動対策は、実は同じ線の上にあるのです。

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12.つくる責任つかう責任

気候変動に強い都市や建物

COP31では都市や建築物も重点テーマ。これは、私たちの暮らしとも非常に近い問題です。断熱性能の高い住宅や省エネ設備を普及させれば、冷暖房に必要なエネルギーを減らせます。

一方、気温上昇が進めば、都市では熱中症対策や冷房需要への対応、豪雨への備えなども必要です。ヨーロッパ・中央アジアの都市について、2050年までに猛暑日の増加が予想され、とくに南欧やトルコで影響が大きくなる可能性が指摘されていることもあり、温室効果ガスを減らす「緩和」と、すでに起きている気候変動へ備える「適応」。これからの都市には、その両方が求められます。

食料・農業やグリーン産業も重要テーマに

気候変動に強い農業や食料システム、低炭素型の産業への転換も重点分野とされています。

猛暑や干ばつ、豪雨などは農作物の生産にも影響します。また、鉄鋼、化学、セメントをはじめとする産業分野では、大量のエネルギーを使うため、世界全体の脱炭素化を進めるうえで産業構造そのものの転換も避けて通れません。

COPというひとつの会議で、エネルギーから建物、ごみ、農業、産業までが同時に議論されるのは、気候変動がもはや「環境だけの問題」ではなく、経済や暮らしを含めた社会システム全体の問題になっているからです。

COP31でもうひとつ注目したい「太平洋」の存在

COP31の会場は地中海のアンタルヤですが、今回のCOPを考えるうえで「南太平洋の存在」はもうひとつフォーカスしたいポイントです。

トルコとオーストラリアの合意ではCOP本会議をトルコで行う一方、その前段階となるPre-COPを太平洋島嶼国で開催することが決められました。2026年10月5~8日には、フィジー、ツバル、オーストラリアが協力して公式Pre-COP閣僚会合などを開催し、ツバルでは首脳級イベントも実施されました。

単なる会議場所の分散ではなく、太平洋島嶼国のなかには、海面上昇や高潮、塩害などによって、暮らしや国土そのものが気候変動の影響にさらされている国があります。

気候変動によって大きな影響を受ける地域の人々の声を、世界の気候外交へどう反映するかといった観点で、今回のCOP31は、地中海のトルコと太平洋地域をつなぐ特徴的な会議でもあります。

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6.安全な水とトイレを世界中に13.気候変動に具体的な対策を14.海の豊かさを守ろう17.パートナーシップで目標を達成しよう

気候変動対策では「誰が負担するのか」も避けて通れない

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ここで重要になるのが「気候正義」という考え方です。気候変動の影響は、世界のすべての地域へ同じように現れるわけではありません。歴史的に多くの温室効果ガスを排出してきた国と、排出量は比較的小さいにもかかわらず海面上昇や干ばつなどの深刻な影響を受ける国との間には、大きな格差があります。

そして脱炭素化や災害への備えにもお金が必要です。再生可能エネルギー設備の整備、洪水対策、干ばつに強い農業への転換、災害後の復旧の進行など、こうした対策に必要な資金を誰が負担し、どの地域へ届けるのかという「気候資金」は、現在の国際気候交渉における重要なテーマです。

気候変動を「世界全体でCO₂を減らせばよい」という数字だけの問題として見るのではなく、その負担と被害を誰が背負っているのかまで考えることが、COPを理解するうえでは欠かせません。

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10.人や国の不平等をなくそう13.気候変動に具体的な対策を

COP31は私たちの暮らしにどう関係する?

COPは「各国の首脳や政治家が話し合う、自分とは遠い世界の出来事」に感じるかもしれません。しかし、COP31で掲げられているテーマをひとつずつ見ていくと、実は私たちの日常と重なるものばかりです。

  • 家で使う電気をどのようにつくるのか。
  • 猛暑でも快適に暮らせる住宅をどうつくるのか。
  • 自動車や公共交通はどう変わるのか。
  • 買った商品を使い終えたあと、ごみにするのか、もう一度資源として使うのか。
  • 気候変動によって農作物が育ちにくくなったとき、食料をどう確保するのか。

COPの会場だけに存在するものではありません。もちろん、COP31で何かが合意されたからといって、翌日から日本の電気料金やごみの分別方法が変わるわけではありません。一方で、国際社会がどの分野へ資金や技術を集中させるのかという方向性は、各国の政策や企業の投資、新しい商品・サービスの開発にも長期的な影響を与えます。

気候変動の国際交渉を知ることは「遠い国の環境ニュース」を知ることではないのです。私たちがこれからどのようなエネルギーを使い、どのような街に住み、何をつくり、何を捨てる社会を選ぶのか。その大きな設計図がどちらへ向かおうとしているのかを知ることでもあります。

まとめ|COP31開催を「遠い国の会議」で終わらせないために

まとめ|COP31開催を「遠い国の会議」で終わらせないために

2026年11月9日から20日まで、トルコ・アンタルヤでCOP31が開催されます。今回の特徴は、トルコが開催国・議長国を務めながら、オーストラリアが交渉を主導し、さらに太平洋島嶼国でもPre-COPが行われるという新しい協力体制にあります。

そしてCOP31が掲げる大きなキーワードは「実行」。これまで世界が掲げてきた気候目標を、エネルギー、産業、建物、資源循環、農業、金融といった現実の社会へどう落とし込んでいくのかが問われます。

地中海沿岸で気候変動の影響と向き合うトルコ。そして海面上昇などの課題を抱える太平洋島嶼国。遠く離れた地域をつなぐ今回のCOP31は、気候変動がひとつの国だけでは解決できない問題であることを、あらためて映し出す場にもなるでしょう。

そして、その議論の先にあるのは私たちの日常です。世界規模の国際会議と、日々の暮らし。一見離れているように見える二つは、同じ地球の上で一本の線につながっています。

COP31をきっかけに、世界がどのような未来へ進もうとしているのか、そしてその変化が自分たちの暮らしにどうつながっているのかを考えてみてはいかがでしょうか。

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